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「選択的夫婦別姓制度」の社会的機運への思考実験

  「選択的夫婦別姓」というものに対する一般社会での機運は年々増大している。 昨今の多様性を貴ぶ価値観において、女性の社会的進出を阻害する要因として度々問題視されるのが、「姓」の問題、特に婚姻後において、主に配偶者である夫の姓に改姓する事による、それまで積み上げてきた旧姓でのキャリアの喪失、およびアイデンティティの喪失という観点において、女性の社会的権利の拡大を図る上では避けては通れない問題となっている。 そこで、「選択的夫婦別姓制度」という制度概念により、おもに女性の社会活動の利便を拡大する機運が高まり、有識者、政界、財界を巻き込んだ論争が未だ解決には至っていない。 厄介なのが、この「姓」を扱う問題において、「個人の権利・アイデンティティ」と「文化と伝統」の衝突が、賛成派と反対派との感情的障壁となっていることである。 多様化社会の趨勢において、「夫婦別姓」もしくは「選択的夫婦別姓」を用いる諸外国の例を論ずるまでもなく、選択的夫婦別姓制度に賛成する人の割合が増加傾向にあるのはもはや否定するまでもない。 賛成派は主に、個人の尊重や多様性の尊重などを主張しており、反対派は主に、家族の一体感の喪失や、伝統的な家族観の変化などを懸念しているのが実情である。 そこで「旧姓使用の拡大」を建設的対案とする向きもあり、多くの公的手続き上において、通称使用を可能とする法整備は進んではいるが、賛成派が強く主張する所はやはり「個人のアイデンティティ」によるものが大きいと思われる。 個人を認識する上での「姓名」の捉え方において、戸籍制度に由来する日本の価値観と諸外国とでは異なる。 西洋社会における姓名とアイデンティティの関係性について、西洋社会では、姓名は個人の識別において重要な役割を果たし、政府機関、金融機関、医療機関など、様々な場面で姓名が本人確認の手段として用いられる。 西欧社会では伝統的に、姓(ファミリーネーム)は家族の象徴として受け継がれてきたが、、近年では、個人の多様性を尊重する考え方が広まり、姓に対する捉え方も変化している。 一部の個人は、姓名やミドルネームを変更することで、自己表現やアイデンティティの再構築を図ることも珍しくはなくなり、特に、トランスジェンダーの人々にとっては、姓名の変更は重要な意味を持ちうる。 姓名の由来や意味は、各国の文化や歴史によって当然異なり...

当BLOGコンセプトについてのご説明

 「 禁じられた果実~知的考察実験室~」 とタイトルを付けました、当BLOGの全体のテーマ、コンセプトは、 「人間による知識へのあくなき探究、人間が「知」という「罪悪を伴う至宝」を得たが故の懊悩と歓喜」 という、厨二病チックな誇大命題となります。 私が若輩な社会人として世に放出された頃から、既に「生涯学習」というものが持て囃されておりました。 「義務教育から高等教育を経て、やっと「勉強という苦行」から解放された!」  と思いきや、社会に出れば学生時代の甘ったれた心根を打ち砕くかのような、社会人としてのモラルとビジネススキルという新たな学習を求められるという現実に、当時の私は「またイチから勉強かよ」と不平を漏らしつつも、流されるままに、情報の奔流をただひたすらに飲み込まされるという、形を変えた勉強を受け入れていきました。 サインコサインタンジェントなんてものが役に立つような職種には終ぞ就かなかったのですが、凡そ義務教育レベルで叩き込まされる基礎教育の成果は、まるで点と点が線で繋がり、その線と線が複雑に接続し合うネットワークとして様々な場面で応用として活用されることに、 「もっと勉強しとけばよかったなぁ」 という後悔が過る事となるのです。 勉強=強いて勉める、とあらためて解釈すると、私が今まで何となく捉えていた「学び」という取り組みは、知識へのアプローチが間違っていたのではないかと考えたのです。 知識への究極のアプローチとは、根源的なアプローチとは何なのか? ヘレン・ケラーの伝記の一シーンで、サリバン先生が、ヘレン・ケラーの手を、流れる水に直接受け止めさせて、「Water! Water!」と叫び伝える場面があります。 サリバン先生は、「水」という概念と、「Water」という言語を、ヘレン・ケラーに直接的に結実させることで、「これは水、という言葉で表現するのだ」という知識をもたらしたのです。 原初の時代、奇跡と偶然により人類の眼前で発生した「火」(それは落雷によって発火し燃え盛る炎だったのかは知る由もありませんが)という現象を知覚し、この現象が「熱く」「明るく」「持続しない」現象であることを知見し、その現象を「燃えている」と概念付け、その現象の結果物には「焼けた」という概念付けをしたのです。 人類はその現象「火」を移動させ、保持することが出来るようになりました。 ...