「消費税」やら「年金制度」やらを無くしてみたら?
財政規律派の仰る通り、「消費税」は国と地方の貴重な税源である事は事実なのだが、それが社会福祉財源であるとかいう御託屁理屈を捏ねるからややこしくなる訳で、もう素直に、
「キッチリ金を巻き上げるのに必要なんだよ」
とか正直に言えばいいのにな、とさえ思ったりする。
しかしながら、消費税に加えて、所得税やら、国民保険税やら国民年金税やらの「なんちゃって税金」の負担も、現役世代にとっては背に圧し掛かるには重すぎるリュックサックな訳なので、ここいらも含めると、古臭い五公五民を超えて時代劇の百姓並みだなぁ、とさえ思ったりする。
もう面倒ですよね? いっその事、スッキリしませんかね?
◆ 所得税と法人税事業税との関係
法人または個人事業主、金融資産運用を主体とする個人及び団体、宗教法人その他金銭収受をを伴う団体に対する所得税法人税事業税を厳格化し、被雇用者に代表される個人に対しては、所得税を緩和し、住民税を主体とする租税体系に段階的に移行する。
(なお、立法府の構成員たる国会議員、行政各省庁の長、司法府の長及び裁判官は被雇用者と見做さず、個人事業主と解する)
・ 勤労意欲の向上と消費の活性化
とりあえず、担税能力を持つものは、その担税能力に応じて納税の義務を相応に負うべきである、ということ。
その過程において、被雇用者の所得税が軽減されることで、被雇用者の可処分所得が増加し、勤労意欲の向上や消費の活性化が期待できる可能性がある。
特に、現行の所得税は累進課税であるため、低所得者層ほどその恩恵を大きく受け、生活の安定に繋がる可能性がある。
・ 公平性の向上
法人や高額な金融資産を持つ個人、収益を得ている団体に対して、より多くの税負担を求めることで、税負担の公平性が高まるという考え方もある。
特に、近年議論されている富裕層の課税強化や、益税の問題がある団体への課税強化に繋がる可能性がある。
・ 地方財政の安定化
住民税が税収の主体となることで、地方自治体の財源が安定しやすくなる可能性がある。
所得税は国税であり、景気変動の影響を受けやすい一方、住民税は比較的安定した税収が見込めるものと考えられる。
・ 税制の簡素化
所得税の負担が軽減され、住民税が主体となることで、税制がよりシンプルになり、納税者の理解や行政手続きが容易になる可能性がある。
勿論デメリットもあり、以下のような懸念を払拭しなければならない。
・ 法人や富裕層の海外流出・投資意欲の減退
既に行われている事象だが、法人税や金融資産への課税が厳格化されると、企業や富裕層がより税負担の低い国や地域へ活動拠点を移したり、投資を控える可能性がある。
これは、国内の経済活動の停滞や税収の減少に繋がる恐れがあるだろう。
・ 事業者の負担増と価格転嫁
法人税や事業税の負担が増加した場合、企業は利益を確保するために製品やサービスの価格に転嫁する可能性があり、結果的に消費者の負担が増加する可能性があるだろう。
中小企業にとっては、特に経営への影響が大きいかもしれない。
・ 金融市場への影響
金融資産運用に対する課税強化は、市場の活性化を阻害する可能性があることは、従前より懸念されている。
投資家がリスクを取ることを躊躇したり、国内の金融市場から資金が流出する恐れもある。
・ 宗教法人への課税の難しさ
抵抗がある最大要因は、この宗教法人への課税強化だろう。
宗教法人は公益性を持つ側面もあり、その収益に対する課税範囲や方法については慎重な検討が必要であり、課税の線引きや、宗教活動への影響など、デリケートな問題を含む可能性があるためだ。
・ 税収の不安定化のリスク
景気変動によって個人の所得が大きく変動した場合、住民税を主体とする税収は不安定になる可能性がある。
特に、大規模な経済不況が発生した際には、地方財政が大きく影響を受ける可能性が考えられるだろう。
・ 所得捕捉率の問題
所得税に比べて、住民税は所得の種類によっては捕捉が難しい場合がある。
特に、事業所得や不動産所得など、自己申告に依存する部分が大きいため、公平な課税が難しくなる可能性があるだろう。
・ 制度移行のコストと混乱
大規模な税制改革は、システム改修や納税者への周知など、多大なコストと時間を要し、また、移行期には納税者や企業の間で混乱が生じる可能性もある。
◆ 制度移行に際しての緩和策
例えば、法人税および事業税の厳格化に伴い、いわゆるスタートアップ企業(新規技術の発展に寄与する可能性があるが、資金性の脆弱な企業)の税制の大幅な助成制度、研究設備投資の税制助成、いわゆるNISA枠の大幅緩和策などは、上記の税制改革案には寄与しないだろうか?
法人税・事業税の厳格化と同時に、スタートアップ企業への大幅な税制助成、研究設備投資への税制助成、NISA枠の大幅緩和策などを組み合わせることは、税制改革案のデメリットを緩和し、メリットを最大限に引き出す上で非常に重要な要素となるかもしれない。
これらの施策は、税制改革案に以下のような形で寄与する可能性があるだろう。
● 法人税・事業税厳格化のデメリット緩和策としての寄与
・ スタートアップ企業への大幅な税制助成
デメリット緩和:
資金調達が不安定なスタートアップ企業にとって、法人税や事業税の負担増は大きな障壁となり得る。
大幅な税制助成(例:一定期間の免税措置、所得控除の拡充など)を導入することで、これらの企業の成長を後押しし、海外流出を防ぐ効果が期待できるだろう。
また、将来的なイノベーションの創出や雇用機会の増加にも繋がる可能性がある。
改革案への寄与:
税収減という側面はあるが、長期的な経済成長と税収増に貢献する可能性を秘めているといえる。
・ 研究設備投資の税制助成
デメリット緩和:
法人税・事業税の負担が増える中で、企業が将来の成長に不可欠な研究開発投資を抑制する可能性がある。
研究設備投資に対する大幅な税制優遇措置(例:特別償却、税額控除など)を導入することで、企業の積極的な研究開発を促進し、技術革新を後押しできうる。
改革案への寄与:
日本経済の国際競争力維持・向上に不可欠な要素であり、長期的な視点で見れば、高付加価値産業の育成と税収増に繋がる可能性がある。
● 所得税緩和・住民税主体への移行を補完する寄与
・ いわゆるNISA枠の大幅緩和策
メリット増幅:
所得税が緩和されることで、個人の投資意欲が高まる可能性がある。
NISA枠を大幅に拡充することで、個人の資産形成を促進し、眠っていた資金を市場に呼び込む効果が期待できるだろう。
これは、企業の資金調達を円滑にし、経済全体の活性化に繋がる。
改革案への寄与:
個人の金融資産所得に対する課税は、現状では所得税が中心だが、NISA枠の拡大は、個人の投資行動を促し、経済成長の果実を個人にも分配する仕組みを強化する意味合いがある。
税収面では、非課税枠の拡大による減少も考慮する必要があるが、投資の活性化による経済効果を期待できる。
● 総合的な視点
これらの施策を組み合わせることで、法人や富裕層への適正な課税を維持しつつ、経済成長のエンジンとなるスタートアップ企業や研究開発への投資を促進し、個人の資産形成を支援するという、バランスの取れた税制改革を目指すことができるだろう。
ただし、これらの助成措置や緩和策は、その規模や対象範囲、期間などを適切に設計する必要がある。
過度な優遇措置は、かえって税収の減少を招いたり、特定の企業や個人に偏った利益をもたらす可能性もあるため、慎重な検討が求められる。
上記税制改革案とこれらの補完策を組み合わせることで、より持続可能で活力ある経済社会の実現に貢献できる可能性が高まると考える。
◆ 福祉財源の考え方
消費税が恒久財源と言われる理由の一つとして、事実上消費税の使用目的が福祉分野に寄与していることが考えられる。
しかしながら、日本の年金制度は構造上に問題があり、持続性も期待はできない制度であろう。
そこで、健康皆保険制度は維持しつつも、この国民(厚生)年金制度は廃止し、生活保護制度と統合させた上で新たな福祉制度として運用することは可能だろうか?
● 考えられるメリット
制度の簡素化と効率化:
年金制度と生活保護制度を統合することで、制度運営の重複を避け、行政コストを削減できる可能性があるだろう。
申請手続きや給付の仕組みも一本化され、利用者にとっても分かりやすくなるかもしれない。
低所得者層への手厚い保護:
年金制度の給付水準が低い層や、保険料納付が困難な層に対して、より直接的かつ包括的な支援を提供できる可能性がある。
生活困窮者全体を対象とした制度設計により、セーフティネットとしての機能が強化されるかもしれない。
世代間の公平性の是正:
現在の年金制度は、現役世代の負担が高く、将来世代への負担増も懸念されている。
制度を抜本的に見直すことで、世代間の不公平感を軽減できる可能性があるだろう。
● 考えられるデメリットと課題
国民の反発と不安:
長年にわたり積み立てられてきた年金制度を廃止することは、多くの国民にとって大きな不安と不信感を生む可能性がある。
「老後の生活資金がなくなるのではないか」という強い懸念に対し、具体的な代替案と丁寧な説明が不可欠だろう。
財源の確保:
現在、年金制度は保険料収入と税金で支えられている。
これを生活保護制度と統合し、新たな福祉制度として運用する場合、その財源をどのように確保するかが大きな課題となる。
消費税以外の新たな財源が必要となる可能性もある。
給付水準の設定:
新たな福祉制度における給付水準をどのように設定するかが非常に難しい問題だろう。
生活保護の水準をベースとするのか、それとも年金制度の給付水準も考慮するのかなど、慎重な検討が必要だ。
勤労意欲への影響:
年金制度がなくなることで、「将来のために保険料を納める」というインセンティブが失われ、勤労意欲に悪影響を与える可能性も否定できない。
新たな福祉制度においても、就労を促進する仕組みを組み込む必要があるだろう。
制度設計の複雑性:
年金制度には、加入期間や保険料納付額に応じた給付という仕組みがある。
これを生活保護制度と統合する場合、過去の保険料納付に対する考慮をどのように行うのか、新たな制度設計は非常に複雑になる可能性がある。
世代間の対立:
年金受給者層にとっては、制度廃止は生活基盤を揺るがす事態となりかねない。
現役世代と受給世代間の対立を招く可能性も考えられる。
地方財政への影響:
現在、年金保険料の徴収や給付の一部は地方自治体も関わっている。
制度変更によって、地方財政にどのような影響が出るのかも考慮する必要があるだろう。
● 結論
国民年金・厚生年金制度を廃止し、生活保護制度と統合した新たな福祉制度を創設するというアイデアは、制度の簡素化や低所得者層への手厚い保護といった潜在的なメリットがある一方で、国民の強い反発、財源の確保、給付水準の設定、勤労意欲への影響、制度設計の複雑さなど、乗り越えるべき課題が非常に多く存在する。
実現のためには、国民的な議論を深め、十分な情報公開と丁寧な説明を行い、幅広い合意形成を図ることが不可欠であり、また、移行期間における混乱を避けるための段階的な措置や、既存の年金受給者への配慮も重要となる。
安易な制度廃止は社会不安を増大させる可能性があり、慎重な検討が求められる。
◆ ベーシックインカムと生活保護制度
生活保護制度は現時点では非課税世帯のみが対象で、一部の論者がいうところの「ベーシック・インカム」の考え方を取り入れ、働く意欲と能力を支援しつつ勤労世帯への回帰を促し、また現役リタイア世帯への生活支援を充実させるためには、制度内の担税能力を段階的に区分する必要はあろうかと思う。
また、健康保険制度においても、厚生年金制度を廃止した資金を健康保険制度に転用し労使折半で維持、国民保険税については、担税能力を厳密に管理した上で適切な保険税率を設定し、窓口負担率の固定制を段階制に改定することも必要かと思う。
ベーシックインカムの考え方を取り入れ、生活保護制度を拡充・再構築するという考えについて、勤労意欲の支援、現役リタイア世帯への生活支援の充実、そして担税能力に応じた制度設計という方向性は、より公平で持続可能な社会保障制度を構築する上で重要な視点だと思う。
● 生活保護制度の再構築について
・ 担税能力に応じた段階的区分
現行の非課税世帯のみを対象とする生活保護制度を、ベーシックインカムの考え方を部分的に取り入れ、担税能力に応じて段階的に支援を区分することは、働く意欲を損なわずにセーフティネットを強化する上で有効かもしれない。
■メリット
勤労意欲の維持:
一定の所得があっても、その水準に応じて段階的に給付を減額していくことで、働くことのインセンティブを維持しやすくなる。
貧困の未然防止:
所得が低い段階から支援を行うことで、より深刻な貧困状態に陥ることを防ぐ効果が期待できうる。
制度利用のハードル低下:
非課税世帯のみという厳格な線引きをなくすことで、本当に支援が必要な人が制度を利用しやすくなる可能性がある。
■課題
所得区分の設定:
どの程度の所得水準で、どの程度の給付を行うのか、詳細な所得区分の設定と給付額の決定が複雑になる。
不正受給の防止:
所得に応じた給付となるため、より厳格な所得把握と不正受給対策が必要となる。
制度運営の複雑化:
給付額の計算や申請手続きなどが複雑化し、行政側の負担が増加する可能性がある。
勤労世帯への回帰支援:
制度内に、就労支援プログラムや職業訓練の提供を義務付ける、あるいは積極的に推奨する仕組みを組み込むことは、受給者の自立を促し、制度の持続可能性を高める上で重要だろう。
現役リタイア世帯への生活支援:
年金制度を廃止するという前提であれば、リタイア後の生活資金をどのように保障するかが大きな課題となる。
新たな福祉制度の中で、リタイア後の所得や資産に応じた生活支援策を検討する必要がある。
● 健康保険制度の再構築について
厚生年金制度廃止資金の転用:
厚生年金制度を廃止した資金を健康保険制度に転用することは、財源確保の一つの手段として考えられる。
ただし、その規模や将来的な医療費の増大などを考慮すると、十分な財源となるかは慎重な検討が必要だろう。
労使折半での維持:
健康保険制度を労使折半で維持する原則は、現行制度と同様だが、制度全体の財源確保策と合わせて議論する必要がある。
国民健康保険税の厳格な管理と適切な税率設定:
担税能力を厳密に管理し、所得に応じた公平な保険税率を設定することは、国民皆保険制度の維持に不可欠だ。
所得把握の精度向上と、公平性を担保する税率設定が重要になる。
窓口負担率の段階制への改定:
現在の窓口負担率の固定制を、所得や年齢などに応じて段階制に改定することは、医療費の公平な負担という観点からは理にかなっていると言える。
■メリット
高所得者の負担増:
担税能力の高い層にはより多くの負担を求めることで、制度全体の公平性を高めることができる。
低所得者の負担軽減:
所得の低い層の窓口負担を軽減することで、必要な医療へのアクセスを保障しやすくなる。
■課題
所得区分の設定:
どの程度の所得で負担率を変動させるのか、詳細な所得区分の設定が必要だ。
制度の複雑化:
窓口での負担額が変動するため、患者や医療機関にとって制度が複雑になる可能性がある。
受診抑制の懸念:
一部の所得層で負担が増加することにより、必要な受診を控える可能性も考慮する必要がある。
● 総合的な視点
この方向性は、社会保障制度を持続可能で公平なものへと改革するための重要な視点を含んでいると思われる。
しかし、それぞれの改革案は複雑な課題を抱えており、実現には詳細な制度設計と国民的な議論が不可欠なのは言うまでもない。
特に、年金制度の廃止という大きな前提があるため、国民の理解と安心感をどのように確保するかが最も重要な課題となるだろう。
代替となる生活支援策の具体性や、財源の安定性について、明確な道筋を示す必要がある。
僕が従来思っていた年金制度は、リタイア世代の生活資金というものだった。
しかしながら、為政側による年金制度の設立と運用の歴史において、様々な不正と失敗が重なり、現役世代の感じる、リタイヤ世代の生活資金という幻想は打ち破れ、自身が負担する年金保険税の拠出が無為なものに感じるというのは否めないものと感じる。
リタイヤ世代の中でも限定的ながら社会生産活動に関わり、その活動の対価を得られることが出来ればなお良し、という考え方の方もおられると思うし、そうした社会経済活動に参加しやすい地域社会の構築を官民で推進することは必要だと思う。
そうした働き方の創出と多様化、全世代が等しく社会経済活動に関われる環境を通じて、日本経済全体の再生化を図るということを目指すことはこれからの社会設計上極めて肝要かと思う。
全体的な社会経済活動の活性化によって、総合的な担税能力の底上げにも通じるかと思うのだが。
従来の年金制度に対する信頼感の低下は、過去の不正や制度運営の不透明さからくるものであり、現役世代が将来の生活資金としての期待を持つことが難しくなっている現状は否定できない。
上記のように、「リタイア=社会からの引退」という考え方ではなく、意欲と能力のある高齢者が限定的であっても社会経済活動に関わり、その対価を得ることは、個人の生きがいだけでなく、社会全体の活力維持にも繋がる重要な視点だと思う。
● 社会経済活動への参加促進と地域社会の役割
官民が連携して、高齢者を含む全世代が社会経済活動に参加しやすい地域社会を構築することは、まさに日本経済再生の鍵となるだろう。
以下のような取り組みが考えられる。
・多様な働き方の創出
短時間・短期間の雇用創出:
高齢者や育児中の世代など、フルタイムでの勤務が難しい層でも働きやすい柔軟な雇用形態を促進する。
シルバー人材センターの活用や、企業へのパートタイム雇用の推奨などが考えられる。
テレワークの普及:
時間や場所に制約されない働き方を推進することで、移動の負担を軽減し、より多くの人が社会参加しやすくなる。
起業支援:
高齢者の経験や知識を活かした起業を支援する制度を拡充する。
地域のインキュベーション施設の活用や、メンター制度の導入などが有効だろう。
地域課題解決型ビジネスの推進:
地域が抱える課題(高齢化、空き家問題、環境問題など)の解決に繋がるビジネスを創出し、高齢者の活躍の場とする。
・社会参加を促す環境整備
地域コミュニティの活性化:
高齢者が地域の中で役割を持ち、交流できる場を増やしていく。
ボランティア活動の推進、趣味のサークル活動の支援、地域イベントへの積極的な参加促進などが考えられる。
生涯学習の機会提供:
新しいスキルや知識を習得する機会を提供することで、高齢者の社会参加意欲を高める。
地域の公民館や大学などが連携して講座を開設するなどが考えられる。
ICTスキルの習得支援:
デジタル化が進む社会において、高齢者が取り残されないよう、ICTスキルの習得支援を行っていく。
・官民連携の強化
企業への意識改革:
高齢者の雇用に対する企業の意識改革を促し、年齢に関わらない採用や評価制度の導入を推進していく。
自治体の積極的な役割:
地域の実情に合わせた就労支援策や社会参加プログラムを企画・実施していく。
NPO・地域団体との連携:
地域に根ざした活動を行うNPOや地域団体と連携し、多様な就労・社会参加の機会を提供していく。
● 経済再生と担税能力の底上げ
全世代が意欲と能力に応じて社会経済活動に参加できる環境を整備することは、個人の充実感や自己肯定感の向上に繋がるだけでなく、労働力不足の解消、新たな商品やサービスの創出、地域経済の活性化など、日本経済全体の再生に不可欠だ。
社会経済活動が活発になれば、結果として個人の所得が増加し、企業の業績も向上し、ひいては国全体の担税能力の底上げに繋がるだろう。
これは、将来的な社会保障制度の安定化にも寄与する好循環を生み出す可能性がある。
これらの「働き方の創出と多様化」「全世代が等しく社会経済活動に関われる環境整備」を通じて日本経済全体の再生を目指すという考え方は、従来の年金制度に過度に依存するのではなく、社会全体の活力向上によって持続可能な社会を築くという、非常に重要な視点だと感じる。
◆ 日本の産業改革の方向性
日本の今後の産業主体も、単に大量の需給を期待する単純大量生産を希求する志向ではなく、「概念の創出」、例えば新しい研究技術の開発、進化発展とその普及といった、モノではなく技術アイデアの生産、そして古来より現在に至る日本独自の古文化の発信や保護、いわゆるポップカルチャーの特化と保護といった、元来日本人が得意としてきた外来既存の概念を独自に発展したりさせる特性を生かした産業に主軸を移すべきと考える。
そうした方向性について考えを深めたい。
これからの日本の産業は、過去の単純な大量生産モデルから脱却し、日本が本来持っている強み、つまり「概念の創出」に軸足を移すべきだと強く感じる。
日本のような歴史と文化が豊かな風土には、そうした新しい産業の芽を育むポテンシャルが秘められているのではないだろうか。
日本人が得意としてきたのは、単にモノを作るだけでなく、既存の概念を深く理解し、独自の視点と繊細な感性によって進化・発展させる能力と考える。
これは、これからの世界経済において、非常に重要な競争力となり得ないだろうか。
●「概念の創出」を主体とする産業への転換
・新しい研究技術の開発、進化発展とその普及
強み:
日本は基礎科学研究において高いポテンシャルを持ち、精密技術や素材開発などで世界をリードしてきた。
この強みを活かし、AI、バイオテクノロジー、新エネルギー、宇宙開発などの分野で、革新的な技術アイデアを生み出し、それを社会実装していくことが重要ではないだろうか。
政策:
研究開発への重点的な投資、産学官連携の強化、知財保護の強化、技術移転の促進などが求められる。
・モノではなく技術アイデアの生産
強み:
ハードウェアだけでなく、それを動かすソフトウェア、高度なアルゴリズム、独自のノウハウといった、形のない知的財産こそが、これからの高付加価値を生み出す源泉となると考える。
政策:
デジタル人材の育成、オープンイノベーションの推進、データ活用環境の整備などが重要になる。
・日本独自の古文化の発信や保護
強み:
日本には、茶道、華道、能楽、伝統工芸、食文化など、世界に誇るべき独自の文化が数多く存在する。
これらは、観光資源としての価値だけでなく、日本人の精神性を育む基盤でもある。
政策:
文化財の保護・継承、海外への積極的な発信、文化体験ツーリズムの推進などが考えられるだろう。
・いわゆるポップカルチャーの特化と保護
強み:
アニメ、漫画、ゲーム、音楽、ファッションといった日本のポップカルチャーは、世界中で大きな影響力を持っている。
これは、日本のソフトパワーの象徴であり、新たな経済成長のエンジンとなり得る。
政策:
クリエイターへの底堅い育成支援、海外展開の支援、著作権保護の強化、関連産業との連携促進などが重要である。
・日本人の特性を活かす
日本人の持つ、繊細な感性、緻密な技術力、調和を重んじる精神、そして既存のものを深く理解し発展させる能力は、「概念の創出」を主体とする産業において、大きなアドバンテージとなるだろう。
・政策の方向性
このような産業構造への転換を促進するためには、政府だけでなく、企業、教育機関、そして地域社会全体が意識改革を行い、今以上に連携していく必要がある。
教育改革:
発想力、創造性、批判的思考力を育む教育への転換。
研究開発投資の重点化:
基礎研究から応用研究、そして社会実装までを見据えた戦略的な投資。
規制緩和と制度改革:
新しい技術やビジネスモデルの創出を阻害する規制の見直し。
人材育成:
デジタル人材、グローバル人材、クリエイティブ人材の育成と投資。
地域活性化:
各地域の特色を活かした産業振興。各地域の特色、歴史文化と新しい技術を融合させた産業創出などが考えられる。
日本が、単なるモノづくり大国から、世界に新しい価値観や技術アイデアを提供する「概念創出大国」へと進化することで、持続的な経済成長と豊かな社会の実現が可能になり、真の「持続性社会」の発展と継続性に寄与するものと確信する。
「知」を駆使し、新たな「知」を価値創造する営みこそが、人間の、人間たる所以だ。
その先鞭を、今の苦難を糧にして、日本が先んじて世界に示そう。
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